前回の内容
ここまで、ラザルスの2次評価理論に基づいて、
自己肯定感と自己効力感を高めるとストレスフリーになると説明しました。
自己肯定感が高ければ、周囲の出来事も肯定できるようになって、
嫌なことがなくなった結果、ストレスフリーになるというお話でしたね。
では、その自己肯定感はどうやったら高められるのですか?
という議論が残っていますね。
世間的には、小さな成功を積み重ねましょうとか、小さな良いことを探しましょう、
という話が言われているような感じがします。
実はこれらはどちらもイマイチだな・・・と思っています。
まず、小さな成功を積み重ねるという方法は、確かに効果があると思いますが、
それで効果があるのは、自己肯定感ではなく、自己効力感という別の心理資源です。
自己効力感は、ストレスフリーになるためのもう一つの方法なので、
確かにそれでもストレスが軽くはなりますが、自己肯定感とはまた別のものなので、
そちらは後日にまた説明しますね。
次に、小さな良いことを探すという方法、これもまあ悪くはないです。
しかし、現実問題として感じていた他の嫌なこと辛かったことはどこに行くのでしょうか?
そういう気持ちは結局心の奥に溜まってしまうので、一時的に回避したにすぎません。
本当に自己肯定感を高める方法
では、一体どうしたら自己肯定感を高めることができるのか、というと、
むしろ逆に、嫌な思い、辛い思い、そういうものと向き合って受け入れ肯定することで、
自己肯定感を高めることができます。
例えば、誰か嫌な人がいたとして、その人を「嫌だと思っている自分」がいるわけです。
この時、「誰とでも仲良くしなきゃいけない」、「嫌っちゃいけない」などと考えてしまうと、自己肯定感は下がります。
なぜならば、「嫌だと思っている自分」も自分自身であり、その自分を否定しているからです。
ですから逆に、「嫌だと思っている自分」を肯定することによって自己肯定感は高まります。
それは、「嫌だと思ってもいい、嫌だね、そうだね。」と自分自身の本当の気持ちを受け入れていくわけです。
これは単純な話で、これまで否定してきた自分のことを肯定するということです。否定されてきた自分が肯定されれば、自己肯定感が上がると思いませんか?
それでは良くない人になってしまいませんか?
こんなふうに言うと、まじめな人は、そんな良くない自分を肯定してしまったら、良くない人になってしまうのでは・・・と思ってしまいます。
実は、それがむしろ逆で、「嫌だ、嫌いだ」という本当の気持ちは、あなたに受け入れてもらえるまで心の中に溜まり続けてしまうのですが、受け入れた瞬間に成仏するかのように消え去ってゆきます。
これは、「やっちゃダメ」と禁止されているとやりたくなり、「別にいいよ」と言われるとちょっとやって興味を失ってしまうのと同じ仕組みです。
誰かのことを「嫌だ」という気持ちを禁止することなく、ありのままに受け入れることができると、「嫌だ」という気持ちは消え去って、その人の新しい別の側面が見えてきて、その人と仲良くすることができるようになります。
わかるでしょうか?
自己肯定感の高い人は、人のことも肯定することができると説明しました。
「嫌だ」という気持ちを肯定した瞬間に、あなたの自己肯定感は高まるので、その人の肯定的な側面を見つけ出すことができて、仲良くできるようになるのです。
この話をまとめるとこんな感じになります。
これまで否定してきた「醜い自分」、「嫌な自分」、「理想とは違う自分」を受け入れ肯定した瞬間に、自己肯定感は高まり、それと同時に世界の見え方が変わります。
否定して自分を肯定するわけですから、自己肯定感が高まるのは当然ですね。
しかしここで、次なる疑問が湧いたかもしれませんね。
受け入れるとか、肯定するって具体的にはどうやるんですか? という疑問ですね。
それができないから、自己肯定感が低いんですよ・・・と思うかもしれません。
それは、まあ、セッション受けて・・・と言いたいところですが、
次回ブログでもうちょっと堀深めてみましょう。
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