学習理論「パブロフの犬」
バンデューラーによると、自己効力感を高める方法は、4つあるということでしたね。
今日は、そのうちの「②他人の成功を見聞きする」について説明します。
多くの人は「パブロフの犬」をご存じかと思います。
ベルを鳴らしてから犬にエサを出すことを続けると、やがてその犬はベルの音を聞いただけで唾液を垂らすようになるというものです。
これは学習理論と言って、心理学に大きな影響を与えた実験です。
社会学習理論「人のフリ見て、我がフリ正せ」
バンデューラーはこの学習理論をさらに進めて、社会学習理論というものを提唱しています。
例えば、ある子供がいて、良いことをすると親に褒められ、悪いことをすると怒られるとします。
すると、その子供は報酬のあった良い行動を増やし、罰のあった悪い行動を減らしてゆきます。これも学習理論です。
さらに一歩進めて、その子供に弟がいた場合に、その弟は実際に自分が褒められたり怒られたりしなくても、良い行動をとり、悪い行動をとらなくなります。これが社会学習理論です。
つまり、人のフリ見て、我がフリただすという現象が起きるわけですね。
「応援」で自己効力感を高めよう!
さて、自己効力感の話に戻ります。
「②他人の成功を見聞きする」ことによって、自己効力感を高めるという方法は、この社会学習理論に基づいているわけですね。
平たく言えば「アイツができたんだから、私もできる」ということです。
では、具体的にはどんな行動をとれば、社会学習で自己効力感を高めることができるでしょうか?
それは、「応援する」ということが挙げられます。
例えば、スポーツチームを応援していると、そのチームが勝つ姿を見ることによって自己効力感が高まると言えます。
私は秋田に住んでいますが、2018年の甲子園で金足農業が準優勝するという大きな出来事がありました。
この時は秋田県民だけでなく、全国の人々が金足農業を応援してくれたと思います。
田舎の公立農業高校が並み居る強豪を打ち破っていく姿は、とても痛快でしたね。
痛快なだけでなく、「そんなことができるのか・・・」と勇気をもらった人も多いのではないかと思います。
スポーツ選手の活躍をみて「勇気をもらった」という表現はたまに聞く気がするのですが、この現象こそ心理学用語で説明すれば、「社会学習によって自己効力感が高まった」と言うことができます。
「平凡な公立高校の生徒にできるなら、私もできるかも・・・」と思えるわけです。
色んな人を応援してあげましょう
そういうようなことでして、「応援する」というのは、とても良いことだと思うのです。
その応援に力を注げば注ぐほど、やり遂げた感覚を強く共有できますし、自分も勝利に貢献したと感じることができるので、自己効力感はより大きく高まるでしょう。
「人の応援なんかしたって、自分は得しないよ・・・」という考え方にとどまるのではなく、「人の成功に貢献できるうえに、自分自身の成功にも近づける」というのが応援というものの素晴らしいことなのですね。
これは、別にスポーツに限ったことではありません。
日常生活の中で仕事を頑張っている人、勉強を頑張っている人、家事育児を頑張っている人、そういう人を見つけて応援すると同時に、その人が成功した時には一緒に喜びましょうね。
ああ、なんか今日のブログは、明るく希望のある内容になりましたね。
今日は「④成功時の情動を味わう」を説明するつもりだったのですが、後回しにしてしまいました笑
知らない人のダイエットのビフォーアフターの写真を見て、「うわ!こりゃすごい!」と盛り上がるようなことをイメージしていました。ちょっと違ってた?