そのプロセスで何か大きな心の問題が解決できた後に、目を開けていただくと、「視力が高くなった」「視界が広がった」とか「世界が明るく見える」「世界が変わって見える」と驚かれることがあります。
たまに、というよりはよくある現象です。
実は、五感の感じ方というのは、心の影響を強く受けています。
一番わかりやすいのは、味覚でしょうか。
どんなに美味しい料理でも、大嫌いな上司と一緒に食べたのでは全然おいしいとは感じられないですよね。
あるいは、飲食店のバイトが上司に怒られている姿を見ながら食べる食事というのも、なんとも不味いと感じたことはないでしょうか?
このような心の状態が、感覚に対して影響を与えるというのは良くあることです。
五感は、目や耳といった感覚器官で物理的刺激を受け取って感じているわけですが、受け取った後には、電気信号の形になって神経を伝わっていって、脳で情報処理されて、最終的に明るいとか美味しいとかを感じることになります。
ここで、神経と脳が登場しましたが、神経と脳には心が影響をしています。
パソコンで言えば、神経と脳はハードウェア、心はソフトウェアに相当しています。
心理療法で心の問題を解決すれば、神経と脳の働き方に影響を与えますから、視界に変化が生じるくらいのことは当然と言っても良いでしょう。
パソコンでも、本体、画面、キーボード、マウスなどのハードウェアには変化がなくても、ソフトウェアであるWindowsを10から11へと変更すれば、画面の表示は大きく変わりますよね。
このような現象について、「反転眼鏡」という面白い心理学実験があります。
反転眼鏡とは上下左右がひっくり返って見える眼鏡のことで、被験者にそれをかけてもらって生活してもらうとどうなるかという実験でした。
結果どうなったかというと、最初のうちは生活が非常に困難だったのですが、1週間もすると普通に生活できるようになって、さらには逆転して見えていたものが本来の上下左右に補正されて見えるようになったのです。
この現象は、網膜に入ってくる光という物理的刺激そのものは逆転しているにも関わらず、神経、脳、そして心の段階で、正しく補正しているわけです。
人間ってすごいですね。
つまり、私たちは心によって世界の見えかたを変えることができるということなのです。
だから、心のコンディションを整えることが大切なのです。
心の持ち方によって世界を変えることができると言うより、さらに先鋭的な言い方をしてしまえば、自分の心こそこの世界なのです。
いつも楽しみに拝見しているブログですが、今日の話題はこれまたとっても興味深い!
本当に人間ってすごいですね。
ううーんと唸りたくなるお話でした。
反転眼鏡の実験をスタートさせた方は、こんな結果が待ってるとある程度予想していたのか?それとも信じられない結末だったのか?
そして先生の書かれた締めくくり、「自分の心こそこの世界なのです」を拝読してハッとしました。
狭い世界を見て悩んでいる自分が恥ずかしい、でもそんな自分を受け入れることを身につけ、何としても自由な世界に生きたいものだと感じます。
いつもありがとうございます。