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  • 執筆者の写真北林陽児

謎の問題行動をとるのは誰?

あなたは、自分自身のことをどのくらい自由にコントロールできますか?


「自分自身のことなんだから思い通りにコントロールできるでしょ。」と思える人は、メンタルが良い状態の人で、あまり多くはいないのではないかと思います。


例えば、穏やかに暮らしたいのに不安に襲われてしまうとか、優しくしたいのにすぐ不機嫌になって当たり散らすとか、貯金をしたいのに浪費してしまうとか・・・


「自分は本当は〇〇でいたいのに、なぜか逆のことをしてしまう」という自分ではコントロールのできない謎の問題行動というものは、多くの人が持っているのではないでしょうか。


私の場合で言えば、痩せたいのに食べてしまうという摂食障害の問題に長年悩みましたし、本当に深刻だった時期には、ありとあらゆる日常生活のシーンが自分ではコントロールできない状態になっていました。


「こういう場面に直面すると、こういう行動をとる」というオートマティックな行動が自分の中に沢山あって、ほとんどすべての日常生活が自分の思い通りにならないわけです。


私は、こういう問題を解決するために様々なメンタルスキルを試していく中で、やがて今のように心理療法家として仕事をするようになったという感じです。



さて、ではそのような謎の問題行動はどうして発生するのでしょうか?


ひとつの考え方ですが、「あなたの中のもう一人の自分」がいて、そのもう一人の自分がその行動をとっているという考え方はいかがでしょうか?


食べ過ぎてしまう、不安になってしまう、不機嫌で当たり散らす、浪費してしまう、、、それらは全て「もう一人の自分がやっている」という風に考えてしまうのです。


そういうふうに考えれば、自分自身のことを責めて苦しむ必要はありませんし、「どうしたら、もう一人の自分にそのような行動を止めてもらえるだろうか?」と考えを深めることができます。


という話をすると稀に「私って多重人格なのでしょうか?」と深刻に捉えてしまう人もいますが、そうではありません。


多重人格は解離性人格障害という言うのですが、その場合には何人かの人格は記憶を共有していないのが特徴で、食べ過ぎたこと、不安になったこと、不機嫌で当たり散らしたこと、浪費したことが記憶に残っていません。


今、私が書いているのは、そういう謎の行動をとったという記憶は残っていることを前提にしています。


そのような場合、まず自分自身が居て、その他にもう一人の自分もいて、その二人で相談しながら日々の日常生活を送っているのだけれども、もう一人の自分の強い主張に押し切られて謎の行動をとっているというような状況というような感じです。


私自身はダイエットしたいと主張しているのだけれども、もう一人の自分の強い主張に負けて、気づくと過食している・・・ということです。


まあ、あるいは一人ではなくて、沢山の自分がいてそれぞれ勝手に主張して問題行動をとっているという考え方でも良いと思います。


食べまくる自分、不安になる自分、不機嫌な自分、浪費する自分・・・と自分の中には様々な「別の自分」がいて、本当の自分を言うことを聞いてくれないわけです。



このように「別の自分がいる」と考えると、まず第一に自分自身を責めずに済むというメリットがあるわけですが、第二のメリットとしては問題解決の糸口になるという大きなメリットがあります。


つまり、そういう謎の問題行動をとっているのが「別の自分」なのであれば、その自分にその行動を止めさせれば問題は解決するわけです。


そして、ではその行動を止めさせるためにはどうしたら良いか、どうしたらもう一人の自分を止めるようにと説得できるだろうか・・・という風に解決思考を深めていくことができるわけです。


この考え方はとても優れていて、最終的には様々な問題行動を止めることができます。

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