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  • 執筆者の写真北林陽児

ダイエット中の食欲と禁止の葛藤

多くの人が、挑戦して挫折を繰り返す課題と言えば、ダイエット。


今日はダイエットの話をしてみましょう。


多くの場合、ダイエットでは食事を制限して、「食べてはダメ」という禁止を自分に課すのではないでしょうか。


そして、3日とか1週間とか禁止を続ける内に、「食べたい」という欲求に耐えられなくなって、挫折・・・というのが良くあるパターンかなと思います。


まあ、私自身はそうだったということです。


以前、心の中には、相反する2つの気持ちが両方存在しているという話を書きました。



「食べてはダメ」という禁止と「食べたい」という欲求は、典型的な正反対の感情です。


このような正反対の感情は、片方が生まれると、もう一方も生まれ、もう片方が大きくなるともう一方も大きくなるという性質があります。


つまり、相反する2つの感情の大きさは拮抗していて、冷戦時代のアメリカとソ連、現代のアメリカと中国のような国際関係に似ているなと思います。


お互いに、相手を打ち負かしたい、負けたくないと思っているので、相手が強くなると自分も強くなって対抗していくわけですね。


「食べてはダメ」と「食べたい」という気持ちは普段から拮抗して、小さな葛藤になっていると思います。


しかし、ダイエットを始めると、「食べてはダメ」という禁止を一気に強めますから、「食べたい」という欲求も強まります。


そして、普段は小さな気持ち同士の小さな争いだったものが、大きな気持ち同士の大きな戦争へと発展してしまうわけです。


そしてその戦争状態が心の負担となって、多くの場合には欲求が勝利してダイエットは幕を閉じるわけです。


こういうダイエットにおける心の問題を解決する方法は、相反する二つの気持ちを両方とも認めてあげることです。


そもそも、その二つの気持ちは何のために存在しているのでしょうか?


例えば、「食べちゃダメ」という禁止の気持ちは、あなたのことを、より美しくするために存在しているのかもしれません。


その一方で「食べたい」という欲求は、あなたの健康と生命を維持するために存在しているのかもしれません。


禁止と欲求のどちらの気持ちも、あなたのために存在していいて、あなたに良かれと思って主張しているということに気づいてあげてください。


例えば、「食べたい」が完全敗北してゼロになって、「食べちゃだめ」しかなくなってしまうと、ガリガリで不健康になったり最悪死んでしまうかもしれません。


つまり、禁止と欲求はどちらもあなたのことを思いやって、あなたのために頑張っていて、そのために相手に負けることができないので、拮抗して強くなるわけです。


そもそも分かって欲しいことは、禁止も欲求もあなた自身なのだということ。


自分自身である以上、自分自身を害する意図はなくて、両方とも善意の存在、つまりあなたの幸福のために力を尽くす存在であるということに気づいてあげてください。


そのように、両方の気持ちをよく理解して受け入れてあげることができると、葛藤の苦しみは軽く楽になっていきます。


これは、喧嘩をしている二人の仲裁をするようなもので、両方の言い分をよく聞いて理解してあげるわけです。


そうすると、拮抗して両者が強くなっていくのとは、逆に、拮抗して両者が弱まってゆきます。


そうやって、両方の気持ちをどんどん受け入れていくと、最終的には「どっちでもいいや」という気持ちになります。


つまり、「食べても食べなくてもどっちでもいいや」という風に気持ちや感情が収まってくるので、そのとき初めて「じゃあどっちにしようか」と頭で考えてより望ましい方を選択するのです。


この相反する2つの感情が心の中にあるというのは、何もダイエットに限ったことではありません。


あらゆる感情や気持ちには相反する気持ちが両方あって、私たちは惑わされています。


そういう気持ちに惑わされることなく、いつも冷静で理性的な良い判断と行動ができる人というのは、なぜそれができるかと言えば、自分の気持ちを良く味わって認めることができているからです。


そういう人は、まず自分の気持ちをよく味わって認めることで、心の葛藤を十分に処理したあとに、判断や行動をとっているわけですね。





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