近頃、しばらくブログをサボっていたのですが、その間、改めて時間をとって、自分の心と向き合う作業をしていました。
今日は、その作業の中で、新たに気づいたことを書いてみましょう。
人には様々な習慣があるものですが、行動的なものだけでなく、思考的な習慣というものもあります。
今回、自分の心と向き合って、いつも私が考えている「ダメだった場合どうするか?」という思考が、人生にとって有害であることに気づきました。
試験に不合格だったらどうするか?
事業が失敗に終わったらどうするか?
お金が足りなくなったらどうするか?
と言ったような思考で、自分としてはリスクを前もって勘案して破綻を防ぐための賢い思考のような気がしていました。
しかし、この思考こそ、成功を遠ざけ、失敗をもたらしているということに気づきました。
こういう気づきはとても大切ですね。
この思考が始まったのは高校受験を控えていた頃に、本命の高校が落ちたらどうするか?ということを考えたところからな気がします。
受験のプレッシャーと日々戦っていたわけですが、それが自分の中で結構なストレスだったわけです。
そのストレスは、受験に失敗することに対する恐怖から来ていました。
そこで、「仮に失敗したとしても大丈夫」な想定を心の中でしておくことによって、ストレスを和らげることができていました。
仮に本命校に落ちたとしても、滑り止め校があるし、そこでもまぁまぁ楽しいだろうという想定を行っておけば、「落ちたら人生が破綻する」というような不安が和らぎ、ストレスが軽くなります。
これはある意味においては、リスクヘッジ的な思考で、スマートな気がします。
しかし、この思考は単に「逃げ道」を用意しているだけのことで、「その道も楽しそうだ」という思考をすればするほどストレスが軽くなりますから、「滑り止め校でも満足できる」という思考というか妄想がどんどん膨らんでゆきます。
その一方で、本命の相対的な魅力は下がってしまいますから、本命へのコミットが下がって、勉強に身が入らず、本命の合格確率は下がって、滑り止めに入学する可能性が高まります。
この話は、「リスクヘッジを行うと、そのリスクが現実化する現象」とまとめることができるでしょう。
この現象は実は、自動車保険で、統計的に証明されていることです。
つまり、「自動車保険に加入している人は、未加入の人よりも事故率が高い」という統計的事実です。
これは、加入していると「事故が起きても大丈夫」と思って注意が散漫になるからだ、とか、事故を起こして保険金を受け取ったほうが経済的に得だからだ、などと説明されています。
これって、なかなかに不都合な真実ですよね。
この保険の話からも分かるように、「ダメだったらどうするか?」という思考や、その場合の対応策を考えれば考えるほど、実際にダメになる可能性は高まっていくのです。
思えば、私も中学生の頃まではさまざまな成功を収めていたのですが、その思考を身に着けて以来、本当の成功をすることがほとんどなかったな・・・と思います。
しかも、その思考が有益であると考えていた節があるので、まさか有害だったとは気づかず、今まで放置されてきてしまいました。
まあでも、どんな思考習慣であれ、有害な物を持っていると気づいてしまえば、その思考習慣を消し去ることは特に難しいことではない、というか、私の専門分野です。
早速、心理療法でその思考習慣を消し去って、今度は「成功したらどうするか?」という思考をするようにしているのですが、これはめっちゃ楽しいし、モチベーションが高まって、成功確率が高まっていることを強く感じています。
改めて、思考が人生を作っている。心が現実を作っているということに気づきました。
もう20年近くも心と向き合う作業をやってきて、いまだにこんなことが残っているわけです。心の世界は広くて深いですね。
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