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  • 執筆者の写真北林陽児

過去の解釈変更で、自己肯定感を高める

私は、自己肯定感を高める方法は6つ持っておりまして、セッションの中でそれらを使っています。


まあ、トラウマケアなどの一般的なセラピーでも自己肯定感は高まるので、それ以外、かつそれ以上の方法として、6つを行っています。


まず、自己肯定感というのは、その名の通り「感覚的に、自分のことを肯定できるか?」と捉えれば良いでしょう。


これらの感覚的、自分、肯定の3つの要素の中で、今日は「自分」について書いてみます。


そもそも「自分」というものが何なのか?というのは難しいというか、色んな考え方があるように思うからです。


多くの人は、自分の体を指さしつつ、「この自分です。」と言うような回答をするのではないかと思います。


それは、確かにそうで、物理的実体がまずは挙がるのは自然なことでしょう。


しかし、肉体は、自分自身の一部でしかないようで、全てを網羅できているようには思えませんね。


そこで、皆さんに比較的わかってもらえそうな考え方の1つとして「自分とは、過去の積み重ねである」というものを挙げてみましょう。


今日の自分があるのは、過去の自分があるからなわけですね。


まあ、多くの人が「そうだね・・・」と思ってくれるような気がします。


ここで、上に書いた話に当てはめてみると、自己肯定感とは「感覚的に、『自分の過去』を肯定できるか?」と言い換えることができます。


この言い換えをすることによって、自己肯定感が下がっている原因の1つ、およびその解決方法が見えてきます。


つまり、自分自身の過去を否定的に捉えることは、自己否定とイコールであって、自己肯定感が下がることの原因の1つと言えます。


例えば、過去の出来事を後悔しているとか、恥じているとか、人に知られたくないとか、そういった気持ちを心の奥に持っていると、自己肯定感は下がります。


これは、私自身もかつてずいぶん苦しんだことでして、過去を否定的に捉えていると、現在の自己否定になるだけでなく、未来についても明るい展望を持てなくなります。


残念なことに、心理療法というものは過去の事実を変更することはできません。


しかしながら、過去の事実の「解釈」を変更することができます。


例えば、何かの試験で大きな失敗をしたことを、後悔して恥じていたとしましょう。


試験で失敗したという事実を変更することはできませんが、後悔や恥じという感情を消し去り、もっと肯定的つまり「単なる思い出の1つ」に変更することはできます。


このような心の変化は、その後の人生の経過の中で、長い年月をかけて徐々に変化することもありますし、心理療法の数回のセッションによって変更することもできます。


そのようにすれば、自己肯定感は高まるというか、強まります。


ただし、上記のように「試験で失敗した」というような具体的なエピソードについて行うのが、一般的なトラウマケアです。


それに対して、私の自己肯定感セッションでは、総論としての「自分の過去」について、解釈を変更します。


「自分の過去の大半は悪いことばかりで、最悪だった」という風になっている解釈を、「良いことも悪いこともあって、総論として納得している。」という風に変更するわけですね。


もちろん、このような変更を思考のレベルで行っても意味がないというか、むしろ悪化する可能性が大きいです。


そうではなく、もっと心の深いレベルで変更を行うのですが、そうすると上のような肯定的な思考が自分の意志とは関係なく湧き出てくるようになります。


これは、自己肯定感を高める方法としては、かなり効果があります。


受けた方からは、心の変化だけでなく、「体の軸が強くなって簡単にはぶれないように感じる」とか「地面に足が根を張っていてどっしりとした安定感を感じる」などの身体的な感覚変化を感想として述べられる方もいます。


過去というものは、自分自身の「根っこ」なわけですね。


否定されて弱ってしまった根っこを、復活させると、そのように感じるということでしょう。


さて、今日は、「自分」というものを「過去の積み重ね」として捉えて、話を展開してみました。


物理的実体という軸に基づけば、「自分とは肉体」という話になりますし、


時間と言う軸に基づいて捉えれば、「過去の積み重ね」ということになるわけです。


自分と一言で言っても、様々な考えかたがあるのですね。

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