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  • 執筆者の写真北林陽児

悪習慣が身に付く仕組み

予定では、今日はイメージと体感の声を聴くことで、苦手は消せるという話をするはずだったのですが、その前に、買い物の話をもう少しちゃんと書いておこうと思います。


無駄な買い物をしてしまう習慣は、良くあると思うのですが、それは心を癒すために行っているということを前回軽く書きましたね。


一体どのようにしてそのような習慣が身についてしまうのでしょうか?


それは、いわゆるパブロフの犬と同じ学習理論によって説明ができます。


正確には、パブロフの犬はレスポンデント条件付け、今日の話はオペラント条件付けと言ってちょっと違いますが、どちらも学習理論の一部です。


オペラント条件付けというのは、何らかの行動をとった時に、それに対して報酬が発生すると、その行動を反射的・自動的に繰り返すようになり、止めたくても止められなくなるというものです。


例えば、あなたが、本来の望みとは違う職業に就いていたとしましょう。


仕事への意欲があまり強くなく日々を過ごしていたある日、上司に怒られてしまって、無力感や空虚感を感じたとします。


その時、帰り道にコンビニで何かを購入したところ、その無力感や空虚感がかるくなるかもしれません。


この場合、無力感や空虚感がなくなることが報酬として働いて、「嫌なことがあった時には買い物をする」という行動を学習するわけですね。


多くの場合、子供時代から、おもちゃを買ってもらうとか、駄菓子屋でお菓子を買うとか、買うという行動で楽しさとか喜びを味わってきたと思います。


ですから、嫌なことがあったときに、買い物の楽しさや喜びによって、嫌な気持ちや苦しみが紛れるというのは、おかしくはないでしょう。


つまり、従来は、楽しさや喜びを味わうことが、買い物の目的だったわけですね。


ところが、オペラント学習が起きることによって、嫌な気持ちを紛らわすことが目的化します。


しかも、学習した行動は反射的・自動的に行われるので、自分でもその目的に気づくことなく、本来の意志と関係なく行動するようになります。


反射的に行われるとは、頭では節約しなきゃと思っていても、買い物行動をとってしまうというわけです。


楽しみや喜びや幸せを感じるためという目的と、嫌な気持ちや苦しみを紛らわすという目的は、コインの裏と表のようであり、真逆なわけです。


嫌な気持ちや苦しみをモチベーションとして行動をとると、新たな嫌な気持ちや苦しみを生み出すこととなります。


例えばお金が減ってしまうとか、食べ過ぎて太るとか、自己嫌悪に苛まれるようなことが起きてくるわけですね。


買い物に限らず、食べ過ぎとか飲みすぎとか、スマホやりすぎとか、寝坊とか、そういう「止めたいのに止められない行動」が身についてしまった背景にはこのような仕組みがあるわけです。


さらに問題なのは、そういう行動の実行回数が多ければ多いほど、深く学習して止めることが難しくなってゆきます。


その行動をとれば、こういう報酬があるという経験を積むたびに、学習は正しかったと検証されてしまうわけですね。


こういう負のループは、私自身にはつくづく身に覚えがあります。


いや~~、しかしですね。


せっかくの三連休の最終日に、なんという暗い話を書いてくれるんだろ言う嘆きの声が聞こえてきそうな内容になってしまいましたね。


まあ、でも全然大丈夫です!


そんなものは心理療法のスキルで解消してしまえば良いだけのことですからね。


私自身の問題だけでも、過食、浪費、寝坊、怒りっぽい・・・など色んな問題を解決してきましたからね。


次回は、計画に戻りまして、イメージや体感の声を聴くと、どうして問題が解決されるのか?という話を書きましょう。


苦手の克服であれ、悪習慣の改善であれ、言葉の表現は違っても、同じ心のメカニズムで発生していますから、ぶっちゃけ同じ方法で解決できますよ。

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