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  • 執筆者の写真北林陽児

世界は、客観的に変わるのか?

前回の記事では、自分の内部感覚を変えれば世界も変わって見える、つまり「心の変化と世界の変化は同義」だと述べました。


しかし、ここで「それは主観的な話であって、客観的・物理的には何も変わらないってことでしょ?」という反論があると思います。


ところが、それはそうでもなくて、実は客観的・物理的にも変化が起きます。


なぜならば、人間と人間の心は繋がっていて、自分が変われば、それと同時に相手や周りの人物にも変化が生じるからです。


これは、ミラーニューロンという脳細胞の働きとして観察できる現象で、スピリチュアルな議論ではありません。


ミラーニューロンの働きは、例えばある人物が悲しみを感じて、悲しみのニューロンが働くと、それを見ている別の人物の脳の中でも悲しみのニューロンが働いて、悲しみを感じる。


つまり、複数の人間がいると、脳細胞のレベルで同期現象が起きるということですね。


一言で言えば、人間の心と心は繋がっているということです。




さて、前回の話を思い出してみましょう。


例えば、あなたはAさんに会うと「胸に気持ち悪い感覚」が生じて、その感覚から「Aさんは気持ち悪い人」と判断していたとしましょう。


ここでミラーニューロンが働きますから、その「胸の気持ち悪い感覚」は、Aさんに伝わっていて、Aさんも「何らかの不快な感覚」を味わっていて、あなたに関して不快な方向の判断を下していることになります。


簡単に言えば、「あなたが誰かのことを嫌いなら、その人もあなたのことを嫌い」ということですね。


ここで、心理療法を行って、Aさんに会った時の「胸の気持ち悪い感覚」を消し去ればどうなるでしょうか?


あなたの中で「胸の気持ち悪い感覚」が消え去るということは、Aさんの中の「なんらかの不快な感覚」も消え去るということを意味しています。


そして、あなたがAさんのことを平気になると同時に、Aさんもあなたのことが平気になるとなるわけですね。


お互いに不愉快そうな表情で向かい合っていたものが、穏やかでにこやかに向き合うようになるわけですね。


そのお互いの表情の変化は、客観的・物理的な変化と言っても良いでしょう。




この話というのは、つまり自分の心に変化を起こすだけで、周囲の人々に変化させることが可能であるということです。


極端な言い方をすると、仏頂面の人々ばかりに囲まれて生活していたものが、自分の心が変わったとたんに、みんな笑顔になるようなことが起こりえるわけですね。


そのような変化は、「心の変化は、世界の変化と同義」と言っても構わないと思っているのですが、いかがでしょうか?

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