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執筆者の写真北林陽児

心の変化は、世界の変化

さて、前回は、「心の変化は世界の変化と同義」と述べましたね。

 

今日は、それに関連して、有名な心理学実験の話をしましょう。

 

実験者は、被験者にホットコーヒーまたはアイスコーヒーを持たせるという実験です。

 

ホットコーヒーを持たされた被験者は、実験者を温厚な人物と思い、アイスコーヒーを持たされた被験者は、実験者を冷淡な人物と思う。

 

という統計的に有意な結論がでました。

 

 

 

この実験の意味が分かるでしょうか?

 

私たちの認識というものが、全く関係のない外部刺激によって、いかに簡単に歪められるか分かりますね。

 

逆に言えば、私たちは、体で感じていることに基づいて、外部認識をしているとも言えます。

 

この実験では、コーヒーという外部刺激なのですが、体の中でも様々な感覚が現れて、私たちは常にそれを感じています。

 

例えば、熱い、冷たい、重い、軽い、モヤモヤ、ワクワク、苦しい、楽しいと言ったような感覚を自分自身の体の中で感じますよね?

 

そして、その内部感覚は、先ほどの実験のコーヒーと同じ効果をもたらします。

 

例えば、人物Aに初めて会ったときに、胸に温かい感覚が生じた場合、温厚な人物と判断しますし、胸に冷たい感覚が生じた場合には冷淡な人物だと判断するのです。

 

つまり、体の内部で起きている感覚に基づいて、外部世界に解釈や意味を与えるのが私たちの認知メカズムの根幹なのです。

 

極端な言い方をすれば、外部世界などロクに見ていなくて、外部世界を通して感じているのは、実は自分自身の心なのです。

 

 


ではここで、人物Aと会った時に生じる内部感覚を、冷たい感覚から温かい感覚に変更したらどうなるでしょうか?

 

単純に、人物Aが、冷淡な人物から温厚な人物へと変身します。

 

というか、そのように思えます。

 

これが、「心の変化は世界の変化と同義」という冒頭の言葉の意味です。

 

そんなことができるんですか?という疑問もあると思いますが、できます。簡単です。

 

しかも、人物に限ったことではありません。

 

対象が何であれ同じことです。

 

例えば、仕事に対して苦しい内部感覚が生じる場合、当然、仕事が苦しいでしょう。

 

では、その内部感覚がなくなればどうなるでしょう?

 

仕事は苦しくなくなります。すごくシンプルな議論です。

 

 

 

 

人間関係なのか、仕事なのか、あなたが苦しんでいるのが何であるかは分かりませんが、一体、いつまでその苦しみを選択するのですか?

 

解放を選択することも、実は簡単ですよ。

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